研究課題/領域番号 |
18K16551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
廣野 誠一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30554258)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 帯状束 / 注意障害 / 覚醒下手術 / グリオーマ / 注意機能 / 注意 / 機能温存 / 脳腫瘍 |
研究成果の概要 |
注意機能の温存と最大限の腫瘍摘出を両立させた覚醒下脳手術の手法は確立していない。本研究では帯状束に着目し、帯状束の切断が術後注意機能に与える影響を後方視的に解析した。術前に注意障害の自覚がなくても3~5割程度の患者で注意障害が既に認められた。腫瘍の摘出に伴って右帯状束を切断すると術前の本人データとの比較で術後注意障害は悪化しないが、健常人データとの比較では術後半年を経過しても軽度注意障害が見られた。一方で左帯状束が切断されると術前の本人データおよび健常人データとの比較の両方で、術後半年を経ても著明な注意障害が後遺していたが、一部の限られた症例では切断しても注意機能に悪影響を及ぼさなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自覚症状がなくても一定の割合ですでに術前から注意障害を認める場合があることが判明した。また、左右の帯状束の切断によって生じる注意機能障害は、その程度や回復の可否に差があり、その障害が永続する可能性が示唆された。一方で、腫瘍の摘出に伴い帯状束を切断しても、術後の注意機能障害が一過性で回復する例も少数認められた。これらのことから、今後、帯状束の切断の結果生じる注意障害が一過性または永続性になる因子を明らかにすることで、さらなる注意機能の温存と最大限の腫瘍摘出の両立をはかることができ、脳腫瘍患者のQOLの改善に資する可能性が示唆された。
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