研究課題
若手研究
ステント留置による脳動脈瘤内血行力学的変化を短時間で数値流体力学を用いて解析するため,ステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし,ステントセルの縮小変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を試みた.その結果,動脈瘤の大きさに関わらずステントセルが縮小する程,瘤内の血流低下とうっ滞が生じることが明らかになった.一方,瘤内の乱流はステントセルの縮小に伴い小型や中型動脈瘤では一旦,増加した後に減少したが,大型動脈瘤では更にステントセルが縮小すると再増加した.Flow diverterの適応となる大型の動脈瘤では,小型や中型瘤と比べ,ステント留置後の血行力学的変化はより複雑であることが示唆された.
複雑な形状あるいは広い頚部の脳動脈瘤治療のために頭蓋内ステントを応用することが多くなってきた。しかし、ステント留置による脳動脈瘤内の血行力学的変化は明らかではなかった。本研究では数値流体力学を用いてステント領域を多孔質媒体でシミュレーションし、ステントセルの縮小変化を多孔質媒体の密度変化に置換する手法を考案した。これにより、ステント留置により脳動脈瘤内の血流低下やうっ滞がどのような影響を受けるか、短時間で検討可能になり実臨床で使用可能になった。ステント留置後の血行力学的変化にどのような特徴あるいは違いがあるか、個々の脳動脈瘤で検討することにより、今後の脳動脈瘤治療の改良に役立つと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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http://www.medic.mie-u.ac.jp/neurosurgery/research/index/index.html