研究課題
若手研究
本研究では、炎症性メカニズムが大きく関与する中枢神経系の代表的疾患である「くも膜下出血」における可溶性VE-cadherinの役割について、臨床研究と基礎研究を用いたReverse-translational studyの手法を用いて解析と考察を行った。臨床面では、くも膜下出血の急性期における髄液中可溶性VE-cadherin濃度が、長期的予後と負の相関を有することが示された。一方で、初代培養細胞とモデル動物を用いた基礎研究では、同分子がミクログリアの炎症性活性を惹起していることが示唆され、くも膜下出血における新たな炎症障害性メカニズムの存在が明らかとなった。
本研究において、くも膜下出血における血管内皮細胞由来分子ーミクログリアの新たなcell-cell interactionと、新たな神経炎症分子メカニズムの存在が示唆された。血管内皮の代謝分子VE-cadherinが、血液脳関門の恒常性維持という本来の役割にとどまらず、中枢神経系の炎症において新たな生物学的な機能を有することを示した点で、学術的意義も大きいと考えられる。これらの知見を他の中枢神経疾患に応用することで、新たな研究展開が可能であり、将来の治療開発を通して世界の社会福祉に大きく貢献できる可能性がある。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 12件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件)
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