研究課題
若手研究
217例の自験例とTCGAのデータでは、共にFMNL1は予後不良因子であった。GSEAではFMNL1は浸潤や遊走、アクチン重合に関連していた。FMNL1をノックダウンすると膠芽腫の浸潤・遊走能が抑制され、アクチン重合が阻害されることにより形態学的変化をもたらした。この時、mDia1とGM130は発現が低下しており、mDia1を介して遊走能を、GM130を介して浸潤能を制御していることを見出した。さらにFMNL1をノックダウンすることによる浸潤能抑制効果は、MMP9活性の低下と相関していた。FMNL1は膠芽腫の浸潤・遊走能を制御しており、治療標的となる可能性が示唆された。
膠芽腫は、悪性脳腫瘍の中で最も頻度が高く、高い増殖能、遊走・浸潤能が特徴である。FMNL1は、膠芽腫が悪性性質を獲得する上で重要な役割を果たしている可能性がある分子として我々が見出したアクチン重合因子である。膠芽腫の治療において、高い浸潤・遊走能は克服しなければならない大きな問題である。本研究は、これまで明らかにされていないFMNL1を中心とした新規の浸潤・遊走機構を解明することで、膠芽腫の新たな治療標的を同定できる可能性がある。
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International Journal of Molecular Sciences
巻: 20 号: 24 ページ: 6355-6355
10.3390/ijms20246355