研究課題
若手研究
がん幹細胞はミトコンドリア優位の代謝を行い、至適なROSレベルを保ちながらATP産生を行っており、そのための特異な制御機構を持つのではないかと考えた。ミトコンドリア制御機構としての小胞体-ミトコンドリア繋留分子のひとつであるPDZD8に着目した。PDZD8はがん特異的な発現を示し、そのノックダウンにより、stress conditionにおいて酸素消費量抑制の消失、酸化ストレス上昇、細胞毒性増強と幹細胞性の低下が見られた。これらの結果から、小胞体を介したミトコンドリアのROS-ATPバランスの制御系ががん幹細胞の代謝形質に関わることが示唆されPDZD8はがん幹細胞の新たな治療標的と考えられた。
がんにおける代謝の重要性は近年とくに注目されている。しかし、がんエネルギー代謝におけるミトコンドリア―小胞体係留分子に着目した研究はいまだに乏しい。本研究では、ミトコンドリア―小胞体係留分子であるミトコンドリアNEETおよびPDZD8のがん細胞における役割を解明し、これらを標的とする治療戦略に結びつく知見を得ることができた。とくに、骨肉腫のような治療的選択肢に乏しい悪性腫瘍に対する新規かつ有効な治療法の開発を可能にする知見が得られたことは、学術的にも社会的も大きな意義があったと考えられる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (22件) (うち国際共著 20件、 査読あり 22件、 オープンアクセス 20件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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