研究課題
若手研究
前立腺癌と診断された患者より根治的前立腺切除術、前立腺生検標本によって得られた標本を分析して、前立腺癌における制御性T細胞の浸潤を評価した。さらに生検標本における制御性T細胞やT細胞の総数とCCR4陽性制御性T細胞の比率を、予後不良群とそうでない群に分けて比較した。またCCR4陽性T細胞の多寡でも2群に分割し予後との関連について検討した。前立腺摘除標本においてはGleason scoreが高いものはCCR4陽性制御性T細胞の発現が多く、細胞数による比較においては予後不良群は予後良好な群に比して、制御性T細胞、およびCCR4陽性制御性T細胞の発現が顕著であった。
進行性前立腺癌に対する有効な治療法の確立は急務であるとされているものの、近年様々な癌腫において有効性が報告されている免疫チェックポイントやサイトカインを介した免疫逃避をターゲットとする免疫治療についてはいまだ未解明である。そういった治療の開発の前段階として、本研究のような前立腺癌組織内における腫瘍免疫について、分子細胞学的に評価することは極めて有用であるものと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Prostate
巻: 79(14) 号: 14 ページ: 1658-1665
10.1002/pros.23890