研究課題
若手研究
過活動膀胱が発生する機序に膀胱求心性神経のC-fiberの受容体TRPV1が関与していることが分かり、それを抑制するウイルスベクターを用いて、脊髄損傷マウスの膀胱壁に注射した。治療法として複製欠損単純ヘルペスウイルスベクターの膀胱局所注射を用いた理由はこのTRPV1拮抗薬を全身投与すると副作用が出る事が分かっており、局所療法が適していると考えた為である。研究の結果、脊髄損傷マウスモデルによる排尿筋の無抑制収縮(頻尿)を優位に減少させる結果が出た。以上の背景を踏まえ、新規ウイルスベクターを用いた新しい手法は、新規治療方法となりうる事が示唆された。
脊髄損傷の発生数は、日本では高齢者の脊髄損傷の発生率が欧米に比較し多いと言われている。脊髄を損傷した後は、排泄ができない期間があり、その後不随意収縮にて頻尿が発生し、尿失禁が引き起こされる。このことは生活の質をかなり低下させる。よって脊髄損傷に伴う膀胱機能障害の病態機序の解明、ならびに治療法の開発は急務である。複製欠損単純ヘルペスウイルスベクターを用いた手法で脊髄損傷マウスの脊髄での病理学的診断かつ治療法へ試みたのは我々が初めてであり、さらに治療薬の開発に向けて研究を進める価値があると考え今回の研究を行った。結果、新規ウイルスベクターを用いた新しい手法は、新規治療方法となりうる事が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 6件)
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10.1016/j.neulet.2018.06.049