研究課題
若手研究
本研究は、子宮内膜の発癌初期段階において重要なPTEN遺伝子を抑制する可能性が報告されているマイクロRNAに着目し、子宮内膜病変の早期診断に寄与するバイオマーカーとしての応用可能性について検討を行った。研究開始当初は月経血を利用した検出法の確立を目指したが、所属機関の異動や臨床検体の確保が困難となったことから、補助事業期間中の研究実施計画に則り、ホルマリン固定パラフィン包埋材料を用いる方法について解析を進めた。子宮内膜癌においてmiR-205発現とPTEN蛋白発現の消失に相関が認められ、miR-205がPTEN発現の制御および子宮内膜発癌初期段階に関与することが示唆された。
本研究結果により、PTEN 遺伝子を抑制する可能性が報告されているマイクロRNAのうちmiR-205が、正常子宮内膜では非常に低発現でありかつ類内膜癌では高発現していることが明らかとなった。さらにPTEN蛋白発現の陰性率との相関が唯一認められた。これにより、miR-205は子宮内膜癌の進展ではなく、子宮内膜の発癌初期段階において関与する可能性が考えられ、miR-205発現解析が子宮内膜病変の早期診断におけるバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。
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