配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究実績の概要 |
子宮頸部の前がん病変(CIN)を有する患者95名の腟マイクロバイオームを解析したところ、Lactobacillus (46.7%), Gardnerella (11.4%), Atopobium (6.2%), Bifidobacterium (4.3%), Prevotella (4.2%), Megasphaera (3.7%)が検出された。検出される菌の多寡により菌分布community state (CT)1-4に分類することができた。CT1は乳酸菌のうち、L.inersを含まないもの、CT2はL.inersが優勢、CT3はGardnerella, CT4は優勢な菌がないものである。CT3が42例(44%)と今回の母集団ではその頻度が一番高かった。頸管粘液中のサイトカインの発現レベルの違いをCT間で解析するとIL-1bがCT3で優位に高い発現レベルを示していた。今回検討した集団では検体の95%にハイリスク型のHPVが検出された。HPV感染自体は炎症性サイトカインの発現を誘導しないと考えられることから、子宮頸部前がん病変の患者においてIL-1bが発現しているのはGardnerellaの感染に起因する可能性がある。疫学的にGardnerellaの感染はCINの存続やがんへの進展のリスク因子とされていることから、IL-1bがHPVのライフサイクルに何等かの影響を及ぼすことが考えられた。一方、L. iners は乳酸菌の亜型でありながら、嫌気性菌の遺伝子も共有することが知られ、嫌気性菌との共生も観察されている。我々のデータでもHPV型の重感染例においてL. inersが優勢であることも判明した。HPV感染には嫌気性菌が何等かの役割を果たし、結果としてCINの存続や発がんに関わることが示唆された。
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