研究課題
若手研究
加齢により停止期が長いほど染色体数的異常が増加し、体細胞分裂では1%以下の染色体分配エラーが卵母細胞では10-30%起こる。減数分裂特異的遺伝子について遺伝子多型解析を行ったが、有意なSNPsを認めず網羅的な解析を行った。胎児染色体異数性不育症患者192人を対象として、66万か所のSNPsのタイピングを行った。日本人1157人のリファレンスとχ二乗検定を行い、最も有意な関連を示したSNVのrs7908491(P=1.06E-06、OR=1.72)は、減数分裂関連因子であるMEIG1 遺伝子のスプライシングQTLとして報告され、染色体異数性ともっともな関連があると考えられた。
本研究の目的である胎児染色体数的異常の関連遺伝子を同定することにより、不育症のrisk alleleが見つかることが予測される。「流産しやすい体質」についての遺伝カウンセリングを提供することができる。流産しやすい体質だと分かれば早めの出産を検討するなど、流産リスクを知ることにより、女性がライフプランを考えるためのbiomarkerとして貢献する波及効果が期待できる。ここに本研究の創造性があり、妊娠の高年齢化した日本だけでなく世界中に貢献できると考えている。また、関連遺伝子の同定は将来的には新たな不育症の治療・予防法の開発につながる。
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