研究課題
若手研究
遺伝性婦人科腫瘍であるリンチ症候群は、その特徴であるマイクロ不安定性(MSI)が免疫チェックポイント阻害薬の治療選択として注目されている。我々は、卵巣癌におけるリンチ症候群の診断ツールとしてSGO基準の有用性を示した。また、卵巣癌と子宮体癌の重複例でLynch症候群が7/33(21.2%)と多く、さらに腫瘍のゲノム解析では、子宮体癌、卵巣癌両原発巣において、高腫瘍変異量(>10mutations/Mb)が示された。変異遺伝子の追加解析で、各原発癌の発癌メカニズムが特徴づけられると期待される。また、進行・再発癌のMSI解析から、子宮頸癌ではMSI-highは認められないことが示された。
近年の研究によって、遺伝性腫瘍は比較的一般的な頻度で認められることが分かってきており、本研究によって、遺伝性腫瘍であるリンチ症候群が、卵巣癌、特に卵巣癌子宮体癌の重複例において高率に認められることが分かり、婦人科癌診療における遺伝的関与の可能性に注意すべきであることを示している。また、治療選択におけるMSI検査においても、子宮体癌、卵巣癌において陽性結果が多く、若年者にも多い子宮頸癌における遺伝性の関与が少ないことが示され、社会的にインパクトがあると考える。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件)
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