研究課題/領域番号 |
18K16839
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
玉利 健悟 三重大学, 高等教育デザイン・推進機構, 特任講師(教育担当) (90585176)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 嗅覚 / におい / 電気生理 / 電気生理学 / イモリ / グルコース / 嗅細胞 / ホールセルパッチクランプ / 嗅粘膜 |
研究実績の概要 |
本研究では、嗅細胞のSGLT(sodium glucose transporter)の機能が糖尿病を含む、糖代謝異常により、嗅覚の異常を生じさせていると仮定し、その環境を再現した動物の嗅細胞を用いた実験とヒト嗅細胞を用いた実験を並行に行い、その電気生理学的データを解析することで明らかにすることである。本年度は電気生理学的実験のため、ホールセルパッチクランプ法による実験を、既に実験系が確立したイモリを用いて行った。イモリの嗅細胞のシグナルトランスダクションにも直接影響することを明らかにすることで、ヒト嗅細胞にも影響することを明らかにする目的だが、現時点で明確な反応をを得られていない。実際には、イモリの単離した嗅細胞のホールセル状態にしたのち、電圧固定して電流を解析したが、波形の変化が微小であるため、アーチファクトと判別が難航している。そのため、ヒト嗅細胞への実験が難しく、本研究の目的を達していない。マウス嗅細胞への変更も検討したが、予算や時間の都合もあり、未達となっている。 そこで、もう一つのアプローチとして、におい識別装置を用いたSGLTの機能性を明らかにすることで、糖尿病性の嗅覚障害の病態を解明できるのではないかと考え、同時並行的に実験している。実験室への搬送や初期設定を完了し、いくつかのにおい物質に関するデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
不安定な現職のため、科研費を得てから所属組織の改組などもあり、実験システムの移動が2度あったことにより、システム再構築の度、実験環境が悪化している。特に電気生理実験におけるノイズの除去に苦戦しており、当初の環境とはデータの質が違うことで、解析が困難になっている。 また、におい識別装置に関しては、コロナ禍とウクライナ紛争のため、データ取得に必要な基準ガスの注文から到着に大幅な遅れが生じ、2022年9月から2023年2月まで実験ができない状態だった。そこから1か月でシステムの立ち上げを行ったが、当初の計画より遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
実験室のノイズ除去を徹底することで、イモリの嗅細胞のグルコースによる反応について、詳細な解析を行う。イモリの嗅粘膜の取り出しを行ったが、形状を維持できていないため、組織切片にする実験装置がなく、文献でも見つけられていないため、嗅細胞発現SGLTの同定を行う予定である。 電気生理学実験と同時に、におい識別装置を用いて糖質とにおいの関連について、新たなアプローチを行う予定である。基礎データを取得したため、候補となっている成分について分析する。
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