研究課題/領域番号 |
18K16845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安井 徹郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60803468)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 再生医療 / 聴覚再生 / 幹細胞 / 再生・修復 / 耳科学 / 聴覚医学 / ラセン神経節ニューロン / 聴力再生 / ラセン神経節 / 聴神経 / 神経幹細胞 / エピジェネティクス / 内耳再生 / 聴覚神経 / 螺旋神経節細胞 |
研究成果の概要 |
成体哺乳類ラセン神経節(SG)では、SGNは再生されないとされてきた(Lang et al. Sci Rep 2015)。しかし申請者らは、この通説を覆し、薬剤(ウアバイン)投与によるSGN傷害応答性に増殖を開始し、SGNを産生できる神経幹/前駆細胞(NS/PC)の存在を成体マウスにて証明した。さらに、その増殖・分化・生存制御により、効率的SGN再生と聴力改善に成功した(JCI Insight 2021)。 感音難聴の大多数を占める内耳性難聴でも二次性にSGNが変性・脱落するため、高効率SGN補充による聴力再生は、有毛細胞再生に並び立つものと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全世界に難聴者は4億7000万人と言われ、全人口の6%に相当する。世界で最も高齢化が進んでいる日本では、2018年に65歳人口が総人口の28.1%を占め、この割合は2065年には約40%に達すると予想される。また難聴は必然的にコミュニケーション障害を引き起こし、社会的孤立、うつ病、身体的・認知的機能の低下と関連し、その社会的損失も極めて大きい。特に後迷路性難聴は言語聴取に劣り、代償が困難であるため、QOLの著しい低下を招くが、根本的な治療法は現在存在していない。 申請者らの報告は、変性・死滅する自己SGNを保護・再生させるものであり、今後の後迷路性難聴に対する根本的かつ嚆矢的再生治療となりうる。
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