研究課題
若手研究
音韻障害が疑われる人工内耳装用児の装用閾値、遺伝学的検査結果、5歳時点での表出語彙数および発話明瞭度を検討した。該当症例が208例中10例(4.81%)で、8家系のうち同胞例が2家系あった。全例に遺伝学的検査を施行しており、GJB2遺伝子変異が6例(60%)検出された。装用閾値は35.26±4.45dBで、以前に検討した難聴児の5歳児時点での表出語彙数の中央値が1773語であったのに対して、音韻障害を有する児は614.57±495.48語、発話明瞭度が63.03±11.55%であった。さらに人工内耳装用児2家系のトリオ解析を行い、1家系はシグナル伝達に関与する原因候補遺伝子を検出している。
当研究では、音韻障害を有する難聴児の5歳時点での言語発達の特徴を検討することにより、表出語彙や構音が不良な児の中から、音韻障害を有する児を比較的早期に発見できる可能性が示唆された。また、こうした児の遺伝学的背景を明らかにすることで、言語発達に影響を及ぼす可能性のある音韻障害の早期発見を行うことが示唆されたが、具体的な遺伝子については検出されていない。本研究は、難聴児にとって言語発達に重大な影響が及ぶと考えられる音韻障害の特徴や原因診断を行うことにより、適切な対策を考案することが可能となると考えられ、本邦の難聴児の学習や言語リハビリの目標設定が可能となり、難聴児の福祉に資する事ができる。
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