研究課題
若手研究
悪性腫瘍が再発する機序の一つとして、化学療法の繰り返しにより、抗癌剤に耐性な腫瘍細胞が残存し、増殖して再発腫瘍を形成すると考えられている。薬剤耐性獲得の機構を検討することにより、再発腫瘍を対象とした新規治療法の開発が可能となると考えられる。また、腫瘍溶解ウイルスは従来の化学療法と異なる機序で抗腫瘍効果を示すため、新規治療薬の選択肢となる可能性が考えられる。本研究ではシスプラチン、5-FU耐性株を作成し、その機序と腫瘍溶解ウイルスHF10の抗腫瘍効果を示した。
本研究では再発腫瘍が薬剤耐性を獲得する機序の解明と、再発腫瘍の新規治療薬の開発を目的とした。腫瘍溶解ウイルス療法が新規治療の候補として考えられたため、薬剤耐性株を作成し、薬剤耐性株への腫瘍溶解ウイルスの抗腫瘍効果につき検討した。薬剤耐性株は親株と比べて腫瘍造性能が強くなっていたが、腫瘍溶解ウイルスHF10は抗腫瘍効果を示した。以上の結果から、薬剤耐性となった腫瘍にも腫瘍溶解ウイルス療法が有力な治療候補として挙げられる可能性が示唆された。
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Molecular Therapy Oncolytics
巻: 20 ページ: 220-227
10.1016/j.omto.2020.12.007