研究成果の概要 |
オーラルバイオフィルムはう蝕や歯周疾患に深く関与しており,全身疾患とも関連することが報告されている.このバイオフィルムの制御として,プレバイオティクスという概念で,唾液成分のひとつであるアルギニンが注目されている.本研究の目的は,我々が新規開発したin situバイオフィルムモデルを用いて,アルギニン製剤がプラークコントロール法として有用か否かを科学的に検証することである. 平成30年度は,in situモデルで評価する方法を確立させた.令和1年度では,in situモデルにて8%アルギニン溶液を使用すると,口腔内のアンモニウムイオン濃度が増加し,口腔内細菌叢を変化させることを明らかとした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、研究代表者らが新規開発したin situバイオフィルムモデルを用いて、ヒトの口腔内におけるデンタルバイオフィルムへのアルギニンの効果を経時的かつ定量的に検索し、そのメカニズムを解明することで、科学的根拠に基づいたプラークコントロール法を具体的に提示することを目的としている.本研究のようなデンタルバイオフィルムの解析および制御・抑制法を創出することは,口腔疾患の予防および治療に有効であるだけでなく,生命科学の発達に貢献し,延いてはヒトの健康増進に繋がると自負している.
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