研究課題
若手研究
本研究はテリパラチドがどのような機序でARONJの骨組織に作用しているかを明らかにすることを目的としたものである。多施設による臨床研究で、テリパラチドの間欠投与が臨床的に有効であることが示唆された。また、 テリパラチドが骨へ及ぼす影響を調べることを目的として、炎症を惹起させたマウスの頭蓋骨にテリパラチドを投与して骨吸収量や破骨細胞活性を調べた結果、テリパラチド投与により一時的に破骨細胞の数は増加するが、その後、骨吸収量が減少することが確認された。破骨細胞の病理組織学的な解析では、ビスホスホネート製剤の6ヶ月程度の休薬が顎骨組織に及ぼす影響は少ないことが確認された。
2003年にビスホスホネート製剤で顎骨壊死が起こることが報告されて以降、同様の顎骨壊死の報告が散見され、現在では広く知られている。骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)は確立された治療法がないため一度発症すると治療に難渋することが多い。また、手術療法の治癒率が高いとする報告が多い一方、全身状態を考慮して手術を回避せざるを得ない症例も多数見受けられる。本研究では、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチドがARONJに対して臨床的に有効であることが示唆された。このことより、テリパラチド療法は手術が困難なARONJ症例において、治療法の選択肢の1つとなりうると考えられる。
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