研究課題
若手研究
平成30年度では、「骨特異性血管と骨芽細胞の相互作用における組織化学的解析」をテーマとして研究を行った。申請者は、骨幹端においてCD31/endomucin強陽性を示す骨特異性血管がEphB4陽性静脈内皮細胞であること、一方、骨特異的血管周囲に局在する骨芽細胞は膜結合型ephrinB2陽性反応を示すことを見出した。よって、骨幹端領域における骨特異性血管と骨芽細胞はEphB4/ephrinB2を介して作用しあう可能性が得られた。一方、c-fos遺伝子欠損(c-fos-/-)マウスでは破骨細胞が存在しないため、破骨細胞から骨芽細胞へのカップリングは生じず、また、骨リモデリングも誘導されない。そのような状況のc-fos-/-マウスにおいて、破骨細胞からのカップリングを受けない領域(モデリング部位)である骨・軟骨移行部における骨特異性血管と骨芽細胞との組織化学的・微細構造学的関連性を検索した。その結果、骨・軟骨移行部では、破骨細胞が存在しなくとも骨芽細胞は活性型を示し、石灰化骨基質合成を行うことが示された。そのような活性型骨芽細胞はephrinB2陽性を示し、それに接触あるいは近接するようにCD31/endomucin/EphB4強陽性骨特異的血管が局在していた。一方で、骨梁端などの骨リモデリング部位では活性型骨芽細胞は観察されなかった。以上から、骨リモデリング部位では骨芽細胞の活性化には破骨細胞からのカップリングが必要であるが、モデリング部位では骨特異的血管との連関、つまり、骨・血管連関が骨芽細胞の活性化に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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