研究課題
若手研究
腫瘍会合性マクロファージ(TAM)は、癌微小環境においてその役割が徐々に明らかになりつつある。本研究では、まずCD163、CD204、CD206のTAMマーカー(発現タンパク)の違いによる癌の浸潤能や増殖能に関する関与を、腫瘍細胞と共培養することにより検討した。本研究では、ヒトの病理検体による評価を行った上で、その細胞動態を検索するために細胞レベルでの実験を行なった。各種実験結果と臨床病理組織学的な評価にて、CD206発現TAMは、腫瘍の増殖に関与していることを明らかにした。
これまで我々は、免疫組織学的手法を用いてヒト口腔扁平上皮癌の検索を行なっている。その手法は、マウスレベルの実験ではないため、ダイレクトに治療に関与する因子を検索することができるものである。本研究では、CD206発現マクロファージが癌の増殖や転移に関連する可能性があると公表した。本研究のようにCD206発現マクロファージの細胞増殖や組織浸潤機構が明らかにすることは、病態制御のための創薬に結びつくものであり、今後も引き続き各種マーカーで定義されるマクロファージの発現や癌との関連は検討する必要がある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
日本口腔外科学会雑誌
巻: 66 号: 12 ページ: 637-643
10.5794/jjoms.66.637
130007989810
Sci Rep.
巻: Oct 10;9(1) 号: 1 ページ: 14611-14611
10.1038/s41598-019-51149-1