研究課題/領域番号 |
18K17355
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 元樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40723581)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | がん予防 / 大腸がん / ケミカルバイオロジー / コーヒー / カフェ酸 / prohibitin2 / ribosomal protein S5 / cyclin D1 / コーヒー含有成分 / RPS5 / PHB2 / コーヒー酸 / 分子標的予防 / 分子標的癌予防 / 大腸癌 |
研究成果の概要 |
本研究では、コーヒー含有成分のカフェ酸が、複数のヒト大腸がん細胞株に対し、G1期細胞周期進行に重要なcyclin D1の発現を抑制し、コロニー形成を著明に抑制することを明らかにした。さらにケミカルバイオロジーの技術を用いて、カフェ酸の新規結合タンパク質としてPHB2とRPS5を同定した。siRNAによるPHB2及びRPS5の発現枯渇は、カフェ酸処理と同様に、cyclin D1の発現を抑制し、大腸がん細胞のコロニー形成を抑制した。以上より、カフェ酸は、大腸がん細胞内において、PHB2及びRPS5に結合し、cyclin D1の発現を減少させることで増殖抑制効果を示すと考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、コーヒー含有成分のカフェ酸ががん細胞内において、2種のタンパク質PHB2とRPS5に結合することにより、大腸がん細胞の増殖を抑制することを見出した。がんの一次予防において、飲食物や嗜好品の摂取習慣が発がんリスクに大きく影響することが明らかとされるなか、コーヒー含有成分によるがん抑制機序の一端を明らかにした本研究は、発がんの本質を理解し、理論的根拠に基づいた実践的ながん予防法を確立するうえにおいて、その意義は大きい。またコーヒーという嗜好品レベルから、分子レベルの作用機序に落とし込むことにより、PHB2やRPS5を標的とした他の食品成分に代替したがん予防の可能性も期待される。
|