研究課題/領域番号 |
18K17363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
岡村 和幸 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (50736064)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒ素 / 細胞老化 / SASP / 線維芽細胞 / 肝臓 / 皮膚 / DNA損傷 / 無機ヒ素 / 星細胞 / 有機ヒ素 / 発がん / 癌 |
研究成果の概要 |
細胞老化はSASPと呼ばれる分泌現象を介して発癌に関わることが知られている。本研究ではヒト肝臓由来の線維芽細胞であるLX-2において、Ⅲ価の無機ヒ素である亜ヒ酸ナトリウムを曝露することによって細胞老化が誘導され、それに伴うSASP因子の亢進がおこることを明らかにした。さらにSASP因子の発現増加は培地からヒ素を除いた後にも維持されることを見出し、ヒ素に曝露されなくなった後にも影響が残ることが示された。ヒト由来皮膚線維芽細胞であるHFb16dにおいても亜ヒ酸ナトリウム曝露によって同様の遺伝子発現変化が認められ、線維芽細胞におけるSASP因子の亢進が発癌に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒ素曝露が引き起こす慢性中毒は世界的に深刻な環境問題のひとつであり、その中でも発癌は命に関わる問題であるが、機序は未解明である。これまでにヒ素曝露による細胞老化を介したSASPによる発癌メカニズムを検討した実験的研究は存在せず、本研究は肝臓、皮膚など慢性ヒ素中毒によって癌が生じる組織において発癌の共通機序としてSASP因子の亢進が関与する可能性を明らかにした。これによりヒ素曝露による発癌メカニズムを明らかにした。
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