研究課題
若手研究
時間分解蛍光増幅測定法を用いて、2,000名以上のMid-regional pro- adrenomedullin(MR-proADM)を測定した。循環代謝疾患(高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム)の有病者や肥満者(BMI25以上)は、コントロール群に比べるとMR-proADMが高値となった。また年齢や生活習慣などを調整してもMR-proADMは血管スティフネスと関係することが認められた。一方、炎症マーカーである高感度CRPは、血管スティフネスとの関係を認めなかった。MR-proADMは、生活習慣病を主因とする慢性炎症や動脈硬化に対するバイオマーカーとなり得ることが示された。
ADMは多彩な生理作用を持つことから、国内でも、いくつかの治験が進んでいる状況であり、臨床応用が期待される。一方、病態と関連して血中濃度が上昇することから、バイオマーカーとしても期待されるが、血中半減期が短く、利用には限界がある。血中半減期が長く、ルーチン検査としても測定できるADMの前駆物質であるMid-regional pro- adrenomedullin(MR-proADM)の日本人2,000名を超えるデータは、本研究が初めてとなる。今後研究が進めば、MR-proADMが循環代謝疾患や動脈硬化に対する新規のバイオマーカーとしての利用が期待される。
すべて 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)
Sci Rep.
巻: 11 号: 1 ページ: 305-305
10.1038/s41598-020-79525-2
Int J Environ Res Public Health
巻: 17 号: 11 ページ: 3968-3968
10.3390/ijerph17113968
J Pharm Biomed Anal.
巻: 183 ページ: 113168-113168
10.1016/j.jpba.2020.113168