研究課題/領域番号 |
18K17621
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
菊地 悦子 武蔵野大学, 看護学部, 教授 (90307653)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高齢者看護 / 看護倫理 / 看護管理 / 急性期病院 / 高齢者 / 看護論理 / 研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、急性期病院に入院もしくは外来通院している高齢患者の尊厳が保持され、治療方法や入院生活においての意思が尊重される看護実践を確立するための倫理研修プログラムの開発である。開発するプログラムの特徴は、高齢患者の治療や療養の場の意思決定、入院や外来受診の際などの日常における尊厳の保持に焦点をあて、倫理的課題がある状況を管理的な視点でアセスメントする力、看護師個人、または、チーム、組織で改善する力の向上を目指している。令和5年度は、高齢者の日常ケアにおける倫理的課題を病棟の看護チームで検討する研修用の動画教材を作成し、研修の実施、評価することを計画した。実施の概要は、1.急性期病院の看護教育部の研修担当者(看護部教育委員)複数名で倫理的問題があると感じる看護場面を抽出してもらい動画教材のシナリオ案を作成した。2.シナリオ案から看護場面の動画を作成した。3.研究者が所属する大学の研究倫理審査委員の承認を受け、研究参加する病院を募った。4.研究参加の同意が得られた施設において動画を用いた看護倫理研修を実施してもらい、実施後の参加者アンケートに回答してもらった。結果、研究同意が得られたのは1施設であった。看護倫理研修の方法は、1.事前アンケートで看護倫理に関する学習経験の有無や高齢者ケアに関する尊厳の保持に関する日頃の意識等の回答をしてもらう。2.各部署で複数名の看護師で動画の看護場面の倫理的問題を検討する。3.検討結果から自分達が今後、倫理的看護実践を自部署に確立するために何をしていくか話し合う。4.実践する実践内容の重要度と難易度を検討し、4分割の表に配置する、であった。研修参加者は201名で、研修後のアンケートの記載内容を研究データとして使用することに同意が得られたのが156名であった。現在、アンケート用紙の結果から研修プログラムのを評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は4年の研究計画であった。しかし、研究の第1段階の入院・外来通院の経験のある高齢者へのインタビュー調査、急性期病院の看護師のインタビュー調査がCOVID-19の感染対策と感染拡大による診療業務の多忙から実施が難しく、研究の第2段階に進めることができなかった。代替え案として、急性期病院の看護教育部のメンバー(看護部教育委員)で日頃の看護実践で高齢者の尊厳に関わる倫理的な問題場面を検討してもらい、その結果から研修で使用する動画教材を作成した。令和5年度では、感染対策のために制限されていた集合研修や対面での会議が徐々に再開されるようになり、動画の作成、院内での看護部研修が可能となり、研究の第3段階である、教材開発と院内研修の実施と評価をすることができた。令和4年度は、進捗は「遅れたいる」が現状であったが令和5年度は、「やや遅れている」状況となった。しかし、第1段階の遅れと感染対策が優先されることで研究フィールド開発に影響し、現在、1施設でしか研究協力が得られておらず、研究成果ととしてはデータが不足していることが「やや遅れている」理由である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年に実施した作成した動画を用いた看護部倫理研修の効果を分析し、研修プログラムの洗練をする。開発した倫理研修プログラムを実施し参加者アンケートに協力してくれる施設を募り、データ数を増やすことを計画している。また、研修で使用した動画の場面を倫理的側面から解説するテキストを作成し研修で活用する方法を検討していく予定である。本研究の最終年度であることから、病院の規模や機能に合わせて研修が実施できるよう、研究結果をまとめることを計画している。
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