研究課題/領域番号 |
18K17711
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
兼岡 麻子 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (40815106)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 嚥下障害 / 食道癌 / 誤嚥性肺炎 / 嚥下造影検査 / 喉頭内視鏡検査 / 声帯運動障害 / リハビリテーション / 術後嚥下障害 / 食道亜全摘術 / 誤嚥 / 咽頭残留 / 嚥下内視鏡検査 / 摂食嚥下障害 / 食道がん / 嚥下機能評価 / スクリーニング検査 |
研究成果の概要 |
本研究は、科学的検証を背景とした食道がん切除術後の嚥下障害の病態解明とリハビリテーション手技を確立することを目的に、(1)食道がん術後嚥下障害に関するシステマティックレビュー、(2)食道がん術後の嚥下機能の経時的変化の解析、(3)食道がん術後嚥下障害に対するとろみ付加と頭部屈曲位の効果(代償法)を解析した。一連の研究により、食道切除後に嚥下時の喉頭侵入や誤嚥、嚥下後の咽頭残留が生じ、誤嚥性肺炎のリスクが高まることを示した。液体のとろみ付加は咽頭残留を悪化させることなく、術後の誤嚥を軽減できる可能性がある一方、臨床で広く行われる頭部屈曲嚥下(顎引き嚥下)は嚥下症状を緩和しない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、食道がん術後嚥下障害に関する既存のエビデンスをまとめ、また食道がん術前後の嚥下機能の変化を初めて経時的にとらえた。術後に喉頭侵入や誤嚥、嚥下後の咽頭残留が生じ、誤嚥性肺炎のリスクが高まるメカニズムを示した。また、液体へのとろみ付加は咽頭残留を悪化させることなく、術後の侵入や誤嚥を軽減できる可能性がある一方、臨床で一般に行われる頭部屈曲嚥下(顎引き嚥下)は嚥下症状を軽減しない可能性を提示した。この研究成果は、食道癌術後の誤嚥性肺炎予防に対する認識向上に寄与する。また、今後遷延する嚥下障害に対するエクササイズプログラムの開発にもつながる。
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