研究課題/領域番号 |
18K17756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
瀬高 裕佳子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20404767)
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研究期間 (年度) |
2019-02-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 排尿障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、胸髄で脊髄を半切した脊髄損傷モデルを作成し、排尿障害時における仙髄排尿中枢などの排尿反射中枢がどのように障害されているかを調べ、さらに仙髄排尿中枢のみで排尿がどのように回復できるのかを神経生理学の観点から解明することである。 これまでの慢性動物の実験成果より、排尿の現象は膀胱筋の収縮による膀胱内圧の上昇ばかりでなく腹圧の上昇も不可欠であることが腹壁筋の筋電図記録で明らかになった。排尿には膀胱内圧の上昇と同時に腹壁筋の筋活動が必要であり、仙髄の排尿に関する神経回路と腹壁筋の筋活動を促す神経回路が協調して働く必要がある。 これまでは腹壁筋の筋活動に伴う反回抑制回路が排尿時にどのような活動をするかを調べた。実験は成ネコを用いて、セボフルラン+笑気+酸素吸入麻酔下にて脳定位固定装置に固定した。第1腰髄から第3仙髄まで椎弓切除を行い、脊髄を露出させた。一側の腹壁筋支配神経に双極カフ電極を装着し、支配神経に電気刺激を加えられるようにした。その後、ガス麻酔からウレタン+αクロラロース麻酔に変更した。膀胱に尿道からカテーテルを刺入し、37度に温めた生理食塩水を一定速度により注入装置で膀胱内へ注入できるようにした。2M NaCl溶液を充填したガラス管微小電極を第1から第2腰髄の灰白質に刺入し、腹壁筋支配神経に電気刺激を加えて、運動軸索の反回側枝からシナプス性に活動電位が誘発されるレンショウ抑制性介在ニューロンの活動電位を細胞外記録にて記録した。これにより、例は少ないが、レンショウ抑制性介在ニューロンを記録することが可能であった。 なお、令和5年度では、解析作業および手術プロトコルの見直しを中心に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手術プロトコルの見直しのため
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験および解析で確認された、レンショウ抑制性介在ニューロンの活動に関して、組織学的な解析を行う。また、腹壁筋運動ニューロンと外尿道括約筋運動ニューロンは排尿時に協調して活動するが、それぞれの運動ニューロンのレンショウ抑制性介在ニューロンが、排尿時にどのような活動を示すか明らかにする。さらに、セボフルラン+笑気+酸素吸入麻酔下で脊髄損傷後モデルを作成して、半切後5日目において、ウレタン+αクロラロース麻酔で排尿障害時におけるレンショウ抑制性介在ニューロンの活動様式を調べる。腹壁筋運動ニューロンのレンショウ抑制性介在ニューロンは第1・第2腰髄から、外尿道筋運動ニューロンのレンショウ抑制性介在ニューロンは第1仙髄・第2仙髄から細胞外記録を行う予定である。さらに、排尿障害時におけるレンショウ抑制性介在ニューロンの活動性を高め、正常な排尿を誘発することについても調べる。
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