研究課題/領域番号 |
18K17790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡本 正洋 筑波大学, 体育系, 助教 (30726617)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 低強度運動 / 海馬 / グルタミン酸 / アルツハイマー病 / ストレス / 神経新生 / 認知機能 |
研究成果の概要 |
アルツハイマー病モデル動物(5XFAD)を用い、グルタミン酸代謝の異常が、アミロイドβの蓄積や認知機能低下の原因であるという仮説を検証した。実験では、グルタミン酸トランスポーターを活性化し、アストロサイトへのグルタミン酸の取り込みを促進するリルゾールの効果を検証した。その結果、リルゾールの長期間投与により、5XFADマウスに見られるアミロイドβ42の蓄積や認知機能の低下を抑制・改善することが明らかになった。また、RNA-Seqによる遺伝子発現の網羅的解析の結果、アルツハイマー病に伴う海馬における遺伝子発現の異常、特にミクログリアの関連遺伝子の発現を改善していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果はアルツハイマー病に伴うアミロイドβの蓄積や認知機能の低下は、細胞外に過剰に放出されたグルタミン酸が要因であり、海馬のグルタミン代謝の恒常性を保つことが、海馬をストレスに伴う疾患から守る上で重要であることを示唆するものである。一過性の低強度運動により海馬のグルタミン酸濃度が上昇する傾向を示しており、習慣的な運動による適度なグルタミン酸放出の繰り返しが、グルタミン酸の恒常性(放出されたグルタミン酸の取り込み・除去など)を強化し、ストレス適応力を高めていることが想定される。これらの知見は、運動がストレスに打ち克つための脳を育む分子機構を解明する糸口となることが期待される。
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