研究課題/領域番号 |
18K17840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
小田 啓祐 広島国際大学, 薬学部, 講師 (60712594)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ドーピング / 薬物動態 / 腎排泄 / LC-MS/MS / 1,3-dimethylamylamine / 尿中排泄 / 経皮吸収 / 尿細管再吸収 / Pharmacokinetics |
研究成果の概要 |
ドーピング禁止物質である1,3-ジメチルアミルアミン(DMAA)のラットにおける体内動態を検討した。その結果、DMAAを静脈内に投与すると、35.2%が未変化体として尿中に検出された。また、尿をアルカリ化するとDMAAの尿中排泄は低下し、血中濃度は上昇した。また、DMAAは様々な組織に分布し、腎臓に最も多く蓄積した。一方、DMAAは経口投与または経皮投与によっても吸収されることが示された。以上の結果から、DMAAは腎臓における再吸収により血中濃度が長時間維持され、さらに経口以外の投与方法によっても容易に吸収されるため、経口摂取していない場合においてもドーピング検査時には注意が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回得られた知見は、ドーピング禁止物質の生体内運命を明らかにし、その制御因子を同定するものである。尿のpHが変化することにより、ドーピング禁止物質の尿中排泄が変化するため、検査時の「陽性・陰性」判断を誤ってしまう可能性が考えられる。また、DMAAのような塩基性の脂溶性低分子化合物の場合、皮膚などからも吸収されてしまうため、経口摂取以外の体内侵入経路を考慮する必要がある。このように、ドーピング禁止物質の体内動態変動要因を社会に広く周知させることにより、「うっかりドーピング」の回避、ドーピング検査の最適化に寄与できるものと考えられる。
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