研究課題/領域番号 |
18K17859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 城西大学 (2020-2022) 上武大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
二橋 元紀 城西大学, 経営学部, 准教授 (20738017)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | スポーツ外傷 / 慢性化予防 / 神経生理学的評価 / リハビリテーション / 足関節捻挫再受傷 / 皮質脊髄路興奮性 |
研究実績の概要 |
本研究は、スポーツ外傷が慢性化へと移行する神経系の時系列的な過程を明らかにすることを目指し、神経生理学的アプローチ、臨床的評価アプローチによる検証を継続してきた。 神経生理学的アプローチとして、スポーツ外傷の代表例である足関節捻挫後の皮質脊髄路興奮性の変容を時系列的に検証した。特に、皮質脊髄路興奮性の入出力特性(閾値、最大傾斜、定常値)、抑制性指標(サイレントピリオド)を評価し、受傷頻度別(初回足関節捻挫群、足関節捻挫再受傷群)で中枢神経系を介した運動制御機構の回復過程が異なってくることを明らかにしてきた。この点は、皮膚反射機構によって評価した先行研究結果とも類似しており、初回足関節捻挫から再受傷および慢性化へとつながる機序の解明につながる可能性がある。また、足関節不安定性スコア評価 (CAIT)、足関節筋力評価といった臨床評価における時系列的変化の過程とも必ずしも一致していないことから、臨床的な機能的回復と神経生理学的な回復過程に解離があることも明らかになりつつある。この点からも、アスレティックリハビリテーションの過程で中枢神経系の回復過程も一つの指標として見ていく必要性が考えられる。 一方で、皮質脊髄路興奮性と立位動作、動的バランス動作との関連性も検討を進めてきた。立位動作では、皮質脊髄路興奮性の最大傾斜(Gain)がCAITに関連しており、慢性度合いが高いほどGainで補正している可能性が明らかになった。また、Star Excursion Balance Testによる動的バランス評価との関連性では、スポーツ動作における軸足と非軸足によって動的バランス機能と皮質脊髄路興奮性との関係性が異なることが明らかになってきた。そのため、アスレティックリハビリテーションの過程においても、バランス機能等のパフォーマンス回復に対する中枢神経系の関わりを考慮していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
神経生理学的アプローチである経頭蓋磁気刺激法によるマッピング指標評価の測定が遅れている。方法論ならびに左右筋間での支配領域の比較検討などを進めているが、実際の足関節捻挫受傷群に対する検証を進展させることができていない。この点を引き続き進める必要がある。一方で、立位動作、Star Excursion Balance Testによる動的バランス評価と皮質脊髄路興奮性(入出力特性)との関連性に関して学会発表も実施し、論文執筆作業に移行している。2023年度において、マッピング指標評価を進展させていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
神経生理学的アプローチに関して、経頭蓋磁気刺激を用いるマッピング指標による評価を足関節捻挫受傷群および慢性的足関節不安定性のアスリートに対して実施していく。特に、立位動作、Star Excursion Balance Testによる動的バランス評価とマッピング指標との関連性を進めていく。一方で、昨年までに学会発表した立位動作、Star Excursion Balance Testによる動的バランス能力課題における皮質脊髄路興奮性(入出力特性)との関連性立位動作における皮質脊髄路興奮性(入出力特性)と慢性的足関節不安定性(CAI)との関連性、および足関節捻挫受傷後の皮質脊髄路興奮性(入出力特性)の時系列的変容を投稿論文へと仕上げていく。
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