研究課題/領域番号 |
18K17893
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
林 拓志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特別研究員 (80815358)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 感覚予測誤差 / 報酬予測誤差 / 運動学習 / 行動選択 |
研究成果の概要 |
我々は、様々な場面で行動を決定し運動を実行する。もし期待した結果が得られなかった場合、脳は報酬予測誤差と感覚予測誤差を計算する。従来の研究では、報酬予測誤差は行動選択に、感覚予測誤差は運動実行に活用されるが、両者がどのように相互作用しているのかは明らかではなかった。本実験では、ターゲット探索課題中に視覚運動外乱を与えた。両者は独立に与えているため、感覚予測誤差によって探索行動を変化させる必然性はない。しかし、ターゲットにバイアスがある場合にのみ、運動が大きく変動し、感覚予測誤差が大きい方向に運動していることが明らかとなった。これらの研究から、両者がインタラクションしている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、感覚予測誤差が生じるということは、運動を失敗させる要因になる排除すべきもの、と暗に捉えられてきた。しかし、本実験結果、脳は感覚予測誤差を報酬情報と捉えている可能性が見出されている。この結果は、これまでの定説を転回させる大きなインパクトを与えると期待できる。 また、従来の研究では、脳の報酬系と運動系は異なる領域で独立に存在すると考えられてきたが、感覚予測誤差によって行動選択が変調されることが明らかになれば、両者は深く影響を及ぼしあっていることが示唆される。これは、両者を繋ぐ脳内ネットワークに機能的意義を与えることを意味し、神経生理学研究などの関連分野への影響も大きい。
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