研究課題
若手研究
水圏環境中の溶存有機物(DOM)の分子サイズ別の起源と動態を明らかにする、新たな手法を開発することを目的とし、(1) DOMの分子サイズ別の生分解速度の分布把握とモデル化、(2) DOMの分子サイズ別分画濃縮法開発と窒素同位体比分析適用の2課題に取り組んだ。有機物長期分解実験の結果から、分子サイズとDOM生分解特性の関係性について新たなモデルを考案するとともに、分子サイズ別のDOM分解速度定数をSEC-TOC測定パラメータから予測可能な経験式を得た。限外濾過と固相抽出を組み合わせ、数十Lスケールの天然環境水から、高純度に分子サイズ別分画したDOM試料を回収できるシステムを開発した。
本研究では、分子サイズに着目して、DOMの分解特性分布把握と起源解明のための手法開発を進めた。琵琶湖湖水の高分子DOMと低分子DOMでは、分解特性が大きく異なり、窒素同位体比の差から、起源も異なることが示唆された。分子サイズ別のDOM分解速度定数の経験式から、天然湖水中でのDOMの分解および生産フラックスを見積もることが可能になり、DOMの環境中での詳細な機能評価が可能になった。また、高純度に分子サイズ別分画したDOM試料を回収できる手法を開発できたことで、起源解明のための詳細な化学分析が可能になった。
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