研究課題/領域番号 |
18K18194
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
ZAHARIEVA ELENA 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 研究員 (30766697)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | chronic radiation / low dose/low dose rate / endothelial cells / cardiovascular disease / atherosclerosis / monocyte adhesion / low dose rate radiation / heart disease risk / endothelial dysfunction / chronic inflammation / endothelial senescence / cardio-vascular disease / low dose radiation / inflammatory cytokines / adhesion molecules / radiation |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、低線量放射線被曝による心血管系疾患リスクとそのメカニズムを解明することである。本研究結果から、血管の内皮最内層が放射線の重要な標的である可能性が明らかとなった。低・中程度の線量(率)の放射線被曝後に、内皮細胞には細胞老化が誘導され、顕著な老化関連分泌表現型(SASP)を示した。in vitro共培養実験によって、照射後の内皮細胞の表面に単球が局所的に集積した。また、アテローム性動脈硬化症のモデルマウスを用いたin vivo実験でも、照射後のSASPと大動脈形態に変化が生じた。細胞老化による内皮-単球の親和性は、放射線誘発アテローム性動脈硬化症の開始に重要である可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心血管疾患(CVD)は、世界的に主要な死因である。これまでの疫学研究から、放射線被曝が、しきい値無し直線的関係でCVDを誘発する可能性が強く示唆されている。福島原発事故後の健康への社会不安を踏まえ、放射線被曝による心血管系への放射線のリスクを評価し、そのメカニズムを解明することは急務であると言える。本研究は、内皮細胞の老化誘導と機能障害が放射線によるアテローム性動脈硬化症の発症の根本的原因である可能性を示唆する実験結果を提供している。本研究成果は、心血管系への放射線リスクを評価し、CVD予防の標的を特定するための将来的な研究の起点となるものと考える。
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