研究課題/領域番号 |
18K18206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田上 瑠美 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助教 (60767226)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水環境 / 化学物質 / 生物濃縮 / 体内動態 / 水生生物 / 魚類 / 移行残留性 / 生物濃縮係数 / 取込速度定数 / 排泄速度定数 / タンパク結合 / 代謝排泄 / PPCPs / ADME / 水圏環境 / 生物移行・残留性 / 濃縮係数 / 生理活性化学物質 / 下水処理水 / 生物移行/残留性 / 予測モデリング |
研究成果の概要 |
医薬品類やパーソナルケア製品に含まれる生理活性化学物質(PPCPs)78種を対象に魚類への移行残留性を調査した。試験魚を公共下水処理水に曝露し、移行残留性の指標である生物濃縮係数(魚/水の濃度比、以下BCF)、取込速度定数、排泄速度定数を解析した。実測したBCFが化学物質の脂溶性に基づき予測される値に比べ1桁以上高値であった物質(ハロペリドールやクロルフェニラミンなど)の取込速度定数は比較的高値を示したことから、脂質だけでなくたんぱく質との特異的結合が推察された。実測したBCFが予測値の2桁以上低値であった物質の排泄速度定数は比較的高値を示したことから、速やかな代謝・排泄が要因と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学物質の生理活性は一般に生体内濃度が閾値を超えることで発現することから、生物体内濃度、特に取込・分布・代謝・排泄(以下、ADME)の理解が重要と考えられる。本研究によりPPCPsの水生生物への移行・残留性は、各生物種のADMEに顕著に依存することが明らかとなり、特異なたんぱく結合を示す物質や比較的代謝・排泄されやすい物質の存在が示された。本研究において得られた魚類におけるPPCPsのADMEに関する知見は、ADMEの機能差を考慮した生物濃縮性予測手法の確立に役立つことが予想され、生物種間の外挿・類推に付随する不確実性の低下および生態毒性・生物濃縮性試験の削減が期待できる。
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