研究課題/領域番号 |
18K18226
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人土木研究所 |
研究代表者 |
末吉 正尚 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 専門研究員 (70792927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 分断化 / 生息地 / 淡水魚 / 人為影響 / 生態系管理 / ダム湖 / 魚類 / 個体群 / 次世代シーケンサー / 集団遺伝 / 生息域サイズ / 孤立 / 集団遺伝学 / ダム / 個体群存続 / 河川 |
研究成果の概要 |
貯水機能を有するダムが河川に建造されると、ダム上流に大きな湖(ダム湖)が形成される。ダム湖は本来は流れている水をせき止めた止水環境になるため、河川の生き物の生息地として適さない可能性がある。本研究では、ダム湖と流水河川に注ぐ支川の魚類を調べることで、ダム湖が河川性魚類の移動を阻害しているかどうか検証した。結果、ダム湖の支川の魚類は流水河川の集団よりも種数が少なく、特に支川が短いほど減少する傾向がみられた。また遺伝子解析から、ダム湖の支川の集団(個体群)は流水河川の集団よりも遺伝的に分化していたことが示された。以上より、ダム湖は河川性生物の交流を妨げ、支川の魚類個体群を消失させる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、老朽化したダムの補強や激化する気候変動に対応するため、全国各地のダムで再開発事業が進められている。再開発では、主に貯水容量が増やされる傾向にあるため、ダム湖が河川生物に及ぼす影響をを明らかにすることで、再開発時の影響を正しく評価し、緩和策の検討が可能となる。本研究の成果は、ダム湖という表面上は水でつながっている環境が流水を好む河川性魚類の移動を阻害していることを示唆した。
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