研究課題/領域番号 |
18K18238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
篭橋 一輝 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60645927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水利用 / 計量経済学 / 関係価値 / 主観的福祉 / 経済成長 / 讃岐平野 / ランドケア / 水 / 代替可能性 / 渇水 / 主観的幸福 / 手段的価値 / 内在的価値 / IPBES / 補完性の原理 / レジリエンス / ため池 / 水資源管理 / 水充足度 / 同時方程式 / 水資源 / 希少性 / 持続可能性 |
研究成果の概要 |
本研究によって、主に以下の3点に関する成果が得られた。第一に、水利用と経済成長の間の関係性を、計量経済学の手法(同時方程式)を用いて正確に推計した。水利用がしやすくなることで、経済成長率が押し上げられることが明らかとなった。第二に、人間と自然の関係から生まれる価値(関係価値)の概念上の混乱を整理するとともに、アンケート調査を通じて人間の幸福度と正の相関があることを明らかにした。第三に、讃岐平野における1994年の異常渇水への対応の仕方は、オーストラリアのランドケアにおける危機対応と多くの共通点があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各国の水利用と経済成長の間の関係を分析する研究はそれほど多くないが、本研究はパラメータ推計にバイアスをもたらす内生性の問題を考慮して、信頼性の高い正確な推計を行っている。また、水の文脈で関係価値の概念を適用する研究も乏しく、実際に個人の主観的幸福に正の寄与をしていることを実証的に明らかにした点で大きな学術的意義がある。最後に、讃岐平野のため池水利の渇水適応の事例が、有効な危機対応という点で一定の普遍性を持っていることが明らかとなった。水資源の利用・管理の効率性だけでなく、福祉の側面での代替不可能性も考慮に入れた仕組みづくりが、渇水への有効な対処方法となりうることが示唆されている。
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