研究課題/領域番号 |
18K18246
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金城 美幸 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (80632215)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナクバ / オーラルヒストリー / 植民地主義 / 難民 / イスラーム / パレスチナ / 民衆文化 / シオニズム / 民族運動 / ユダヤ教 / イギリス委任統治 / 宗教 / ナショナリズム / フォークロア |
研究成果の概要 |
本研究では、英国パレスチナ委任統治下パレスチナでの民族指導者の汎イスラーム的言説と、農村における宗教観の比較研究を行った。まず、パレスチナ人民族指導者は、ユダヤ人国家建国を支持する英国の植民地下で、宗教的権利のみしか認められなかったために、汎イスラーム的言説を抵抗戦略として利用した点を明らかにした。他方、農村ではシオニストの入植の結果として土地喪失を経験しながらも、農民たちはイスラーム的慣習の下で、土着のユダヤ教徒やアラブ地域出身のユダヤ教徒との共生的な宗教実践が維持された点が明らかになった。この比較研究により、英国委任統治によるイスラームへの介入によって宗教対立が顕在化した過程を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に、英国委任統治下パレスチナの民族指導者の汎イスラーム的言説と、農村での宗教観を比較し、当時のパレスチナ民族運動内の言説のバリエーションと内部での緊張関係を明らかにした。 第二に、テロを扇動する言説の典型とされることの多いパレスチナ民族指導者の汎イスラーム的言説が、英国の植民地政策に対応した戦略だったことを示し、英国の植民地政策がパレスチナの宗教対立を強化したことを明らかにした。 第三に、一部のオーラルヒストリー研究しかなかった農村の状況について、難民が出版してきた故郷の村落史を複数収集して分析し、イスラエル建国前まで存在した宗教実践の中での他者との共存の在り方に光を当てた。
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