研究課題/領域番号 |
18K18260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 星槎大学 (2019) 法政大学 (2018) |
研究代表者 |
東 智美 星槎大学, 共生科学部, 准教授 (70815000)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 住民組織 / 水資源管理 / 社会関係資本 / 北タイ / 灌漑システム / 統合的水資源管理 / 統合水資源管理 |
研究成果の概要 |
本研究では、北タイの住民組織による灌漑管理システム「ムアン・ファーイ」と政府主導の大規模灌漑システムの比較を通じて、水資源管理における住民の持続的な参加を可能とする要件を検討した。チェンラーイ県におけるフィールド調査から、ムアン・ファーイの運営の中心となってきた集落は、住民の灌漑管理の主体としての意識が高く、多くの利水者が政府灌漑事業への統合後も水分配に関する住民組織の意思決定権を維持できると考えていることを明らかにした。さらに、水分配や水管理費の運用に関する意思決定と灌漑用水管理を超えた地域社会との結びつきを住民組織がどれだけ維持できるかが、今後の持続可能な水管理の鍵となることを提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北タイの伝統的システム「ムアン・ファーイ」が、近代的灌漑システムに取り込まれる過程で、その灌漑組織としての機能をどのように維持または喪失していったのかを明らかにした本研究は、これまでムアン・ファーイ研究に現代的な視点を提示した。また、農村部の資源の共同管理のあり方を地域社会組織の機能から論じ、資源管理における住民組織の役割を明らかにした。さらに、タイでも統合的水資源管理(IWRM)が進められているが、今後、末端の水管理を担う住民組織とそれを支える地域社会システムの重要性についての提言を県灌漑局および地域の水利組合と共有することで、同地域のIWRMをめぐる議論への貢献につなげたい。
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