研究課題/領域番号 |
18K18281
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
卯田 卓矢 (ウダタクヤ) 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (20780159)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ツーリズム / 聖地 / 比叡山 / 延暦寺 / 交通史 / 観光開発 / 教団システム / 観光地理学 / ケーブルカー / 自動車道 / 正当性 / 参拝者 / 鋼索鉄道 / 自然保護 / 交通機関 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は主に二つある。第一に、戦前期の延暦寺は鋼索鉄道開業によって参拝者増加という当初の目標を達成したものの、ツーリズム空間化する中で、無断露店の侵入、肉食提供の要望、荘厳さの低下などにさらされ、それらを注視し続ける状況に陥っていたことを明らかにした。第二に、戦後の自動車道建設において、延暦寺関係者が開業前に境内整備計画を構想し、観光収益に基づいた財源確保を目指していたこと、一方でこの計画が観光重視と理解されたことで批判され、中止に追い込まれたことを明らかにした。この研究では比叡山延暦寺を対象として、聖地とツーリズムの複雑な関係性を聖地管理者の視点から初めて通時的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「聖地とツーリズム」に関する先行研究では、自治体や旅行会社、地域住民などの各主体の競合、協調を通じた聖地の構築・変容のプロセスが考察されている。しかし、聖地を取り巻く主体に注目が集まる一方で最大の利害関係者である聖地管理者(教団)に焦点を当てた研究は少ない。ツーリストへの聖地の開放・閉鎖の最終的な決定権をもつのは概して聖地管理者であるため、聖地とツーリズムの関係を理解するには聖地管理者の動向に注視する必要がある。本研究は近現代の比叡山延暦寺を対象に、大正・昭和初期から戦後の長期にわたる両者の関係性を「聖地管理者の視点」から初めて通時的に明らかにした。この点が本研究の学術的意義がある。
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