研究課題/領域番号 |
18K18285
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
小林 誠 東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (10771826)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 気候変動ツーリズム / 観光経験 / 消えゆく景観 / ポリネシア / ツバル / 島 / 観光 / 気候変動 / 経験 |
研究成果の概要 |
本研究は、ポリネシア・ツバルを事例に、気候変動ツーリズムにおける観光経験を具体的に明らかにした。観光者は現地で見たものを積極的に気候変動という文脈に位置付けることで、景観を「消えゆく」ものとして意味づけており、その際にメディアや現地ガイドが大きな影響を与えていたことがわかった。また、観光者の多くが何らかの倫理的な責任を感じており、彼らの倫理は加害者の日本人である自分たちと、被害者のツバル人である彼らという構図に基づくものであった。ただし、そうした構図にとらわれない人と人との出会いとつながりの場として観光をとらえる者もおり、具体的なつながりの中で倫理的な態度が育まれる可能性を見出すことができる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまで理論的に注目を集めてきたものの、ほとんど実態を明らかにされてこなかった気候変動ツーリズムの一事例を詳細に明らかにすることができた。なかでも、観光者の経験が現地でダイナミックに形成されることを民族誌的に描写することができた。これにより、これまでのダークツーリズムとの比較に基づく理念的な研究が見落としてきた未来をめぐる経験という点に気候変動ツーリズムの特徴を抽出することができた。また、観光自体の倫理的な是非ではなく、観光者の倫理的な態度を明らかにしたことは、観光がもつ社会的な意味を再考する上で重要である。
|