研究課題
若手研究
本研究では、宇宙ガンマ線観測用検出器であるCdTe半導体検出器を応用することで小動物用SPECT装置を開発し、本装置を用いて生体内の組織内微小環境の可視化を可能にする多核種in-vivoイメージング技術の確立を目指した。ハードウェアだけでなく、3次元画像再構成アルゴリズムとして実測システムレスポンスを組み込んだML-EM法の開発を行っており、それらを用いてファントム撮像実験を行った結果、少なくとも350um以上の空間分解能が実現できることが確認できた。また、複数核種を投与したマウスに対して撮像実験を行うことによって多核種in-vivoイメージングが実現できていることを確認した。
従来のインビボイメージングでは不可能であったスケールレベルの可視化を実現することによって、同一生体内での複数核種薬剤の集積性・動態性を患部の組織内レベルで検証することが可能となる。その結果、その可視化技術は新薬開発のための革新的なツールになるだけでなく、生体中における組織内微小環境に関する新たな知見の獲得や新たな治療法への探求に貢献することが予想できる。本研究成果は、このさらなる可視化技術への大きな一歩となったと考えられる。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment
巻: 982 ページ: 164575-164575
10.1016/j.nima.2020.164575