研究課題
若手研究
本研究課題では、一般的に、薬物送達効率が極めて低いとされている全身の筋組織(骨格筋および心筋)に、核酸医薬などの次世代中分子医薬品を送達することを目的として、分子サイズを精密制御した薬物送達システムの開発を行った。その結果、10~20nmの水溶性分子が、10 nm以下の分子と比べて腎排泄が抑制され、また、20 nm以上の分子と比べて筋組織への浸透性が亢進していることが確認され、筋組織への薬物送達システムのプラットフォームとして有用であることが実証された。さらに、開発した薬物送達システムに核酸医薬を搭載したところ、核酸医薬単独と比べて約6倍の集積効率を示すことが確認された。
重度の筋疾患は運動機能や心肺機能の著しい低下を伴い、致死性の高い疾患であり、アンメットメディカルニーズとして治療方法の開発が強く求められている。本研究は、筋疾患に対する新たな治療戦略を提案するものであり、社会的意義は極めて高いものである。また、近年の抗体医薬や核酸医薬などの中分子医薬の研究開発に伴い、中分子医薬品の体内分布における体系的な研究が求められている。この点において、本研究は中分子医薬品の分子サイズ域を網羅するサイズの分子の体内動態分布を明らかにするものであり、薬理学的に今後の医薬品開発において極めて重要な知見となるものである。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 1件)
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