研究課題
若手研究
アンチセンス核酸の送達技術の第一の課題である生体内での安定性の向上を狙い、温度応答性セグメントを組み込んだミセル型ナノ粒子の開発を試みた。生分解性をもつポリアミノ酸ベースの構造を開発し、その化学構造を有するポリマーは31度付近に相転移する温度応答性を示すことを明らかにした。加えて、中性付近のpHに応答して鋭く相転移することも見いだした。ナノミセル化を指向して、この二重環境応答ポリマーを組み込んだ三元系高分子の合成に成功している。このポリマーは、生体適合性の高く、更なる高機能なキャリア設計を可能にすると考えられる。
アンチセンス核酸は難治性疾患に対して、疾病の原因遺伝子のmRNAを選択的に効率よく抑制、また、病因を引き起こすスプライシング異常を改善することから、次世代の分子標的薬として期待されているが、治療応用を加速していくために標的組織や細胞への送達効率を高める技術の確立が求められている。本研究では、送達技術の第一の課題である生体内での安定性の向上を狙い、疎水層として温度応答性セグメントを組み込んだ二重保護化ミセル型ナノ粒子の開発を目的としている。また、温度応答性セグメントとカチオンにポリアミノ酸ベースの高分子を用いることで、生体内で分解性を付与し、より臨床応用を指向したデザインとなることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) 産業財産権 (3件) (うち外国 3件)
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