研究課題/領域番号 |
18K18436
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
高度科学技術社会の新局面
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
立川 雅司 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356324)
|
研究分担者 |
大塚 善樹 東京都市大学, 環境学部, 教授 (10320011)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | ゲノム編集技術 / 生態環境 / 人新世 / 生態環境のデザイン / ジーンドライブ |
研究成果の概要 |
最近のゲノム編集やジーンドライブなど生命工学の革新により、様々な生物に対する人為的な介入が可能となっている。このことは生態環境がデザインされていく領域が拡大していることを意味する。こうした背景を踏まえて本研究では、「社会と環境との関係性」が専門家や消費者においてどのように認識されつつあるのかを検討した。近年、人新世という言説も学術界で広がり、外来生物の評価も転換しつつあることで、自然と社会との境界が曖昧になりつつある。しかし、生態学の専門家は、技術的介入が生態系に与える影響に関する未知の領域が大きいと認識し、消費者も特に動物への生物工学的な介入には大きな違和感を抱いていることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術界で共有されつつある人新世の時代のもとでは、社会と自然との区分は一層曖昧となり、気候変動など社会と環境との相互作用に対しては、改善のための技術的対応が議論されつつある。ゲノム編集などのライフサイエンスの進展はこうした傾向をさらに加速させる可能性があるものの、生態学などの専門家や市民の合意を得ることは現時点では難しい面が多いことが明らかになった。これは単なる知見が不足しているということではない。特に植物よりも動物への遺伝的な介入を行う場合には、強い懸念が抱かれ、動物福祉に関わる追加的な配慮等を政策のなかに織り込むことが不可欠であることが明らかになった。
|