研究課題/領域番号 |
18K18475
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
井口 壽乃 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (00305814)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ニュー・バウハウス / 東欧移民 / 科学技術 / メディアアート / 戦時下 / ラースロー・モホイ=ナジ / ジェルジ・ケペシュ / ネイサン・ラーナー / ウィル・バーティン / インスティテュート・オブ・デザイン / 冷戦 / 1930年代 / マックスウェル・ストリート / 第2次世界大戦 / 高等視覚研究所 / ニュー・ランドスケープ / 光学技術 / 光工房 / メディア・アート / ヴィジョン・イン・モーション / ハンガリー人芸術家 / シカゴ産業芸術協会 / 戦時下のデザイン教育 / カムフラージュ / セラピー / カラー映画 / トランスナショナル / シカゴ芸術産業協会 / デザイン |
研究成果の概要 |
本研究において、移民の文化史的視点から東欧移民芸術家が社会システムの異なるアメリカ社会で摩擦と軋轢を伴いつつ、いかに活動を展開したかを実証した。デザイン活動の一つの拠点であったシカゴのニュー・バウハウスを中心にラースロー・モホイ=ナジ、ジェルジ・ケペシュ、ネイサン・ラーナーの戦時中に考案されたデザインと教育方法について、ウィル・バーティンが空軍とアメリカ情報局のために行なったデザインについて検討した。彼らのデザイン活動は戦後のアメリカのデザインの基盤を形成した。戦後から冷戦期にかけての科学技術に基づく芸術へと発展する過程には、アメリカ政府の圧力と産業界からの要求が関連していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、戦後アメリカにおける現代デザインの基礎が東欧移民芸術家によるヨーロッパのモダンアート思想を通じてもたらされたことを実証した。L. モホイ=ナジ著『ヴィジョン・イン・モーション』を翻訳出版を通じて、ニュー・バウハウスにおけるデザイン教育と活動の再検討を行なった。ジェルジ・ケペシュの科学的デザイン理論の再検討およびウィル・バーチンのデザインの考察により、冷戦時代の資本主義イデオロギーを科学と結びつけたアメリカの国家戦略と関連している点を指摘した。さらにネイサン・ラーナーの未公開作品の公開と研究書の出版を行い、ラーナーに対する新たな評価を提示し、研究を社会へ還元した意義は大きい。
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