研究課題/領域番号 |
18K18562
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川名 洋 東北大学, 経済学研究科, 教授 (70312527)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 都市法人 / 個人 / ホスピタル / チャリティ / 介護 / 救貧 / 都市史 / イギリス / 教会 / イギリス経済史 / 慈善 / 福祉 / 救貧法 / 国家 / 都市 / コーポレーション / 高齢化 / 都市自治体 / 近世都市 |
研究成果の概要 |
本研究は安定した経済社会を支える福祉制度の理想的モデルの構築を目指し、弱者救済の思想的・実践的伝統を有するイギリス社会を例にその制度を支えた歴史的条件を探求するための基礎史料の調査、収集及び分析を行うことを目的とする。本研究ではその結果をもとに掘り下げるべき論点を整理し、より包括的な基盤研究の遂行を念頭にそれらを事例研究の成果として公開するための準備を整えた。その結果、先進国イギリスの福祉経済は、近代以前に社会に広く定着した福祉政策の延長線上に発生したことが確認され、また、その特徴を的確に捉える入口として、救貧介護施設の運営と自治都市の発達との関連性に着目することが重要であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果から、イギリスのような経済先進国の福祉制度の発達はその社会特有の歴史的発展に根ざしていたことが明らかとなった。とくに、近代的福祉制度の発達が、政府による上からの政策として導入される以前に、私的活力をもとに高齢者福祉を含む弱者救済の思想を伴って全国で実践されていたことが明らかになりつつある。こうした知見は、長期にわたり持続する救貧史の伝統を持たない国々において近代的福祉制度を構築する際に、単に財政効率偏重の短期的で縦割りの政策に終始するのではなく、救貧介護にかかわる社会規範を規定する歴史的現実をふまえ視野を広げ、中・長期的展望を持って社会改革に臨むことの重要性を示唆するものである。
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