研究課題/領域番号 |
18K18596
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
小島 伸之 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00449258)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 戦争観 / 社会意識 / テクストマイニング / アニメ / 特撮 / 戦争社会学 / 文化社会学 / メディア / 主題歌 / 戦後日本社会 / 日本人 |
研究実績の概要 |
本研究は、戦争や平和に関する社会意識の形成に影響を与えていると考えられる学校教育・劇作品・ノンフィクション等の間接的知見・体験のうち、特にアニメ・特撮作品に注目し、1960年-2010年代までの、①アニメ・特撮作品における戦争の描かれ方の分析、②アニメ・特撮作品の主題歌の歌詞分析、③質問紙調査の三つの検討を通じて、今日の日本人の戦争に関する社会意識の形成についての学術的解明の手掛かりを得ることを目的としている。
今年度においては、①について、先行研究において太平洋戦争の戦争表象との断絶が指摘されていた『機動戦士ガンダム』(1979)の戦争表象と太平洋戦争との関連性について検討した論文「『機動戦士ガンダム』と太平洋戦争」を執筆した(『〈戦い〉と〈トラウマ〉のアニメ表象史』日本評論社、2023年7月刊行予定)。同論文では、従来の先行研究が主として登場人物や登場兵器の名称やデザインなどに着目して、『機動戦士ガンダム』の戦争表象が太平洋戦争と断絶していることを指摘してきたことに対し(「戦争表象の表層」)、作品中における戦局の展開過程など「戦争表象の深層」に着目することで、同作品の戦争表象が太平洋戦争と強く関連していることを明らかにしたものである。
コロナ禍の影響によって研究期間の延長を行ったが、依然として③調査の実施の見込みが立たなかったことにより、成果をまとめることができなかった。今後は、コロナ禍の影響等による研究の進捗の大幅な遅れに対応するため、当該テーマに関心を持つ研究者が集まる研究会(アニメーションに関する学術研究の会)において関連報告や調査への協力依頼を行うなど、研究推進に向けた対応を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、1960年-2010年代までの、①アニメ・特撮作品における戦争の描かれ方の分析、②アニメ・特撮作品の主題歌の歌詞分析、③質問紙調査の三つの検討を通じて、今日の日本人の戦争に関する社会意識の形成についての学術的解明の手掛かりを得ることを目的としている。
現在までの進捗状況として、長期アニメシリーズ作品の戦争観の変遷を分析するなど、①及び②に関しては一定の進捗状況にある。
一方、コロナ禍の影響により、③に関するアニメ・特撮作品が視聴者の戦争観に与える影響についての質問紙調査については、準備及び検討が順調に進んでいるとはいえず、計画に比して大幅な遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の様に、コロナ禍の影響もあり、アニメ・特撮作品における戦争観を広範に比較検討するためのプラットフォームづくり、およびアニメ・特撮作品が視聴者の戦争観に与える影響についての質問紙調査については、作業に遅れがみられる。
それに対応するために、当該テーマに関心を持つ研究者が集まる研究会(アニメーションに関する学術研究の会)において短いスパンで関連報告をし、調査への協力依頼や研究推進に向けた検討を進める等の対応を行っている。
また、コロナ禍によって研究の進捗、特に質問紙調査の実施に影響が及んでいることを踏まえ、研究期間の延長による対応を行うこととした。
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