研究課題/領域番号 |
18K18639
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 教授 (70377729)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 有望性判断 / 創造的問題解決 / 協調学習 / 社会ネットワーク分析 / ネットワーク分析 / 失敗メカニズム / アイディア / 有望性 / 創造性 / 協同問題解決 / プロジェクト学習 / 共同問題解決 |
研究実績の概要 |
本研究では,小グループで取り組む創造的問題解決場面において典型的に発生する「アイディアの有望性判断の失敗」に着目するものである.この失敗とは将来性・発展性のないアイディアを選んで検討する,あるいは一番最初に出たアイディアを安易に採用し,最終的に質の低い問題解決となることを指す.本研究では,この有望性判断失敗の生起メカニズムを明らかにすること,さらに失敗の予兆を捉える客観的手法を提案することが目的である. 当該年度は,アイディアの有望性判断に成功したグループの持つ3要件「不採用アイディアについての吟味・検討」,「最終的に採用したアイディアについての吟味・検討」,「採用したアイディアの正当性を裏付けるための検討」を持ちつつも有望性判断に失敗したグループの失敗要因を成功グループと比較することで細かく分析した. 具体的には,次の4つのステップで検討した.ステップ1:全学習者グループを対象とし,毎授業後に記述した進捗報告と活動の振り返りから得られた全ての名詞単語について社会ネットワーク分析の手法を用いて次数中心性係数を算出,ステップ2:得られた単語の次数中心性係数をもとにクラスター分析を行い5つの対話トピックに分類,ステップ3:重回帰分析により,グループの提案に対する評価得点の高さに影響を及ぼした上述の3対話トピックを同定,ステップ4:3対話トピックについて,そのトピックが含む単語の次数中心性係数の平均値の時間的推移を表し,高評価(成功)グループと低評価(失敗)グループを比較検討. 結果として,高評価グループと比べて低評価グループには1)提案するアイディアを決定した後になって,もう一度不採用アイディアについて検討していること,2)提案するアイディアを決めた後に,そのアイディアを正当化する裏付けについて検討していること,といった特徴が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍が長引いている影響で,適切な条件でのデータ収集が遅れていることに連動し分析作業も遅れをとっている.このため,研究の進捗も遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
前年度後半に適切な条件で収集できたデータについて,早い段階から分析に着手する計画を立てており,それを実行することで,研究の目標を達成できる見込みである.
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