研究課題/領域番号 |
18K18705
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 杏林大学 (2019-2020) 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) (2018) |
研究代表者 |
渥美 剛史 杏林大学, 医学部, 助教 (90781005)
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研究分担者 |
井手 正和 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究員 (00747991)
宮地 重弘 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (60392354)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 感覚過敏 / モデルマウス / 時間 / fMRI / MRスペクトロスコピー / 電気生理 / 行動薬理 / マウスモデル / 時間分解能 / 自閉症 / 不安障害 / MRS / GABA |
研究成果の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)では、感覚過敏や不安障害が喫緊の問題である。ASD者での実験から、刺激の高い時間処理能力に重要な脳領域で、抑制性神経伝達物質であるGABAの濃度低下が過敏を高めることが示唆された。マウス実験ではGABA機能低下が分解能を向上させ、マウス脳の類似領域がこれに重要であること確認した。さらにASD者において、妨害刺激による分解能低下から素早く復帰する特異な注意機能や、不安と関連して、情動刺激により分解能が向上することを見出した。以上から、ASDの感覚過敏へ時間処理の神経回路における過剰な応答が関与し、不安や注意特性は、時間処理能力の向上に寄与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)は神経発達障害の一つであり、これまで、その社会コミュニケーション障害の側面ばかりが注目されてきた。しかし、当事者のほとんどで何らかの感覚処理の問題がみられ、特に刺激を過度に強く感じるという感覚過敏は喫緊の問題であり、その生起メカニズムの解明は急務である。本研究は、様々な感覚種に通底する「時間」を切り口に、その処理能力の高さと過敏性とに共通した神経回路からこれを明らかにする試みである。またモデル動物とASD者へ同一の心理物理実験を適用することで、ASD者での知見と、分子生物学的な知見との橋渡しを行い、包括的な理解を促進するものである。
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