研究課題/領域番号 |
18K18720
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2021-2023) 神戸大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
梶野 直孝 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (90700352)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ラプラシアン / フラクタル / Weyl型固有値漸近挙動 / Klein群の極限集合 / Sierpinski carpet / 自己等角フラクタル曲線 / 複素力学系のJulia集合 / Klein群の擬等角変形 / 擬等角写像 |
研究成果の概要 |
本研究課題における中心的な研究成果は,平面内のある範疇の自己等角フラクタル(適切な等角写像の族に関する自己相似性を有する平面内のフラクタル)に対して幾何的に自然なラプラシアン(の候補の1つ)を構築するとともに,その固有値の列のWeyl型漸近挙動をはじめとする詳細な性質を明らかにしたことである. フラクタルの範疇は当初はKlein群(複素平面上のメビウス変換のなす離散群)の作用で不変な円詰込フラクタル(のいくつかの扱いやすい具体例)に限定されていたが,その後の研究で同様の結果を一般の(微分の一種の非自明性を満たす)等角写像の有限族の作用で不変な単純フラクタル曲線へと拡張することにも成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フラクタル上に自然なラプラシアンを構築し解析する研究は40年近い歴史を有するが,研究対象としては厳密な自己相似性もしくは比較的平易な組み合わせ論的構造を持つフラクタルが主であり,自己等角フラクタルのように一種の自己相似性は確かに持っているものの厳密に自己相似ではないフラクタルに対する研究はごく僅かしかなかった. 本科研費研究課題の結果はそのようなフラクタルにおいて自然な解析学を展開することに成功していると言え,扱えるフラクタルの範疇はまだまだ限定的ではあるものの,既存の研究において取り上げられることの少なかった本質的な問題に一定の理解を与えたその意義は大きい.
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