研究課題/領域番号 |
18K18728
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松田 康弘 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10292757)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 強磁場 / 分子軌道 / 金属絶縁体転移 / 絶縁体金属転移 / モット絶縁体 / 化学的カタストロフィー / 超強磁場 |
研究成果の概要 |
固体内で原子が2量体(ダイマー)を形成する際に、格子変形と同時に電子の局在化が起こり、金属から絶縁体に転移する物質群が複数報告されている。ダイマーは原子間に分子軌道がつくられるため、固体中での分子と見なすことができる。VO2は代表的なダイマー結晶であり、スピン制御によって分子軌道が抑制されれば、絶縁体から金属に変化が期待される。本研究では、VO2にWをドープすると分子軌道の安定性をコントロールできることに着目し、540 Tまでの超強磁場下での化学的カタストロフィー(CC)機構の有無について調べた。その結果、W6%の結晶で金属絶縁体転移を見出し、500 TでCC機構が生じることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
純粋な分子の化学的カタストロフィー現象には10万テスラ以上の磁場が必要であり、宇宙物理において主に理論的に研究されている。また、計算機科学の発展によって、そのような宇宙強磁場では新しい分子軌道形態も理論的に発見されている。今回、固体内において類似の現象が実験的に発見されたことで、分子や原子の電子状態への極限強磁場効果について、宇宙物理との学際的研究が展開可能でり学術的意義は大きい。さらに、固体物理的見地からは、半世紀以上にわたり不明であった絶縁体金属転移機構への電子スピンの役割が、直接的に実験から解明されたインパクトは大きい。
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