研究課題/領域番号 |
18K18731
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
今清水 正彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90465930)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 酵素反応正確性 / RNAポリメラーゼ / 生物ナノマシン / 熱ゆらぎ / 水和 / 不均質性 / 誘電緩和 / 非熱的効果 / テラヘルツ / 転写複合体 / 熱揺らぎ / ハイスループットDNAシーケンシング / ハイスループットシーケンシング / resonance |
研究成果の概要 |
酵素反応が熱揺らぎと同程度の低いエネルギーで極めて正確に行われる原理は、明らかにされていない。本研究では、物理化学的解析が進んだポリメラーゼ反応をモデルとし、室温の熱エネルギー以下のエネルギーを持つテラヘルツ(THz)波を、酵素反応への摂動として利用した新手法を開発した。そして、特定波長のTHz波照射が温度上昇とは質的に反対の作用をポリメラーゼ反応に及ぼし、その反応を正確にするという新しい現象を見出した。また、水溶液中のタンパク質運動へのTHz波照射作用を溶液NMR法により原子レベルで観測する方法を開発し、熱とは質的に異なるプロトン交換へのTHz励起作用を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の分子機能を考える上で、多くの場合、水分子の熱運動は均質なものとして捉えられてきた。しかし、生体高分子表面の水分子集団の熱運動は、均質ではない。生体高分子の特性を反映した形で不均質になる。その不均質性は、熱運動を利用しながら正確な分子機能を生み出す酵素反応機構と深く関わっている。不均質性の微視的詳細を明らかにし、それを生物学的理解に結びつける新しいアプローチが必要になる。本研究は、生体試料にTHz波を照射し、その応答を構造ダイナミクス・化学反応など複数の指標で調べるアプローチを構築した。水運動の不均質性を加味した形で正確な酵素反応機構の記述を深め、今後のTHz波制御の可能性を明確にした。
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